Apple「AirPods Pro 3」は、「AirPods Pro 2」から約3年ぶりにアップデートされたワイヤレスイヤホンです。
本記事では、実機を用いて「Pro 2から買い替える価値があるのか?」を軸に、「音質」「ノイズキャンセリング」「装着感」「操作性」まで徹底検証します。
◆ 概要
・要点の早見表(結論)
▼ 結論
全体的な向上幅はやや控えめですが、「音質」は大きく向上しています(※筆者の体感)。
- 変化量は少ないものの、依然トップクラスのノイキャン性能
- 総合的に「Pro 2」から急いで買い替える必要はなし
- イヤーピースのサイズが4→5サイズに増加
▼ こんな人におすすめ
- 「Pro 2」からの音質向上を重視する
- 心拍センサーでワークアウト管理したい
- 「AirPods Proシリーズ」を所有しておらず、購入を検討中
▼ 注意したい点
- 装着感が変わる可能性がある
- ケース併用時のバッテリーが6時間短縮
- 「Pro 2」までのイヤーチップは装着不可
・この記事でわかること
- 前作「AirPods Pro 2」との主要な違い(音質・ノイキャン・装着感・バッテリー)
- 実使用で感じたメリット・デメリット(ワークアウト向けの新機能含む)
- 「今すぐ買い換えるべきか」を判断するための具体的なアドバイス
◆ 基本スペック比較
| AirPods Pro 3 | AirPods Pro 2 | |
|---|---|---|
| チップ | H2チップ | H2チップ |
| バッテリー(※1) | 1回の充電で最大8時間再生可能 | 1回の充電で最大6時間再生可能 |
| バッテリー (充電ケース使用) | 最大24時間の再生時間 | 最大30時間の再生時間 |
| Bluetooth規格 | Bluetooth 5.3 | Bluetooth 5.3 |
| 耐汗耐水性能 | IP57 | IP54 |
| ケース充電端子 | USB-C | USB-C (※2) |
| イヤーピースサイズ | 5サイズ (XXS/XS/S/M/L) | 4サイズ (XS/S/M/L) |
| ワイヤレス充電 | Qi規格の充電器で可能 | Qi規格の充電器で可能 |
| ワークアウトのための 心拍数センサー | ◯ | ー |
| 価格(税込) | 39,800 円 | 39,800 円(※3) |
(※2) 2023年9月23日発売モデルから
(※3) 2022年9月発売当初の価格(Apple)。現在Apple公式サイトからの購入は不可
・バッテリー駆動時間(ケース併用時)は “短縮”
イヤホン単体では +2時間向上 しましたが、
ケース込みは 6時間短縮 されています。
✅「長時間の外出で頻繁に使う人」は注意
ただし、AirPods Pro 3 は
心拍センサー搭載 & 耐汗耐水IP57 とアクティブ用途に強化されており、
運動時の使いやすさは確実に向上しています。
◆ 同梱物


AirPods Pro 3 の同梱物は、以下のとおりです。
- イヤホン本体(イヤーチップ Mサイズ 装着)
- 充電ケース
- イヤーチップ(XXS/XS/S/L)※Mは装着済み(計5サイズ)
- マニュアル類
今回からXXSサイズが追加されたことで、
より多くの耳の形にフィットしやすくなりました。

特に AirPods Pro 3は装着感が大きく変化しているため、
サイズ選択はとても重要なポイントです。
◆ 外観(充電ケース)
充電ケース→ ランプの点灯方式変更 & 物理ボタン廃止
・正面

充電ケース正面の比較(消灯時)。
「Pro 3」ではランプの物理穴が廃止され、よりフラットなデザインへ変更。

充電ケース正面の比較(点灯時)。
「Pro 3」では発光が拡散する新仕様を採用し、光がより柔らかく広がる。
・ランプの物理穴が廃止され、よりフラットなデザインへ変更
・点灯時は光が広がるように拡散する新仕様に変更
Appleらしい、より洗練された印象に進化しています。
・背面

充電ケース背面の比較。
Pro 3では従来のペアリング用物理ボタンが廃止されている。
背面のペアリング用物理ボタンは、AirPods Pro 3では廃止されています。
「ではペアリングはどうするのか?」
その方法については、次章の「操作性」で詳しく解説します。
・サイズ感比較
<高さ比較>

充電ケースの高さ比較。
「Pro 3」は「Pro 2」と比べ、わずかに高くなっていることが視覚的に確認できる。
<厚み比較>

充電ケースの厚み比較。
上面から見ると、厚さは視覚的に変化はないことが確認できる。
<横幅比較>

下:AirPods Pro 2
充電ケースの横幅比較。
上から見ると、横幅も大きな違いは感じられない。
<重量比較>
| 項目 | AirPods Pro 3 | AirPods Pro 2 |
| イヤホン本体 | 5.55g(※4) | 5.3g(※4) |
| 充電ケース | 43.99g(※4) | 50.8g(※4) |
| 合計 | 49.54g | 56.1g |
「AirPods Pro 2」から 約6g軽量化
ただし、手に持った体感では差は小さめです。
◆ 外観(イヤホン本体)
イヤホン本体もデザインが大きく変更
・ケース収納時の変化点

ケースに収まった状態の比較。
AirPods Pro 3(左)はイヤホンの位置が浅く、
やや丸みが増した形状に変更されています。
ケースを開けた段階で、収納構造の違いが確認できます。
・AirPods Pro 2:イヤーチップがケース内方向に収まる設計
・AirPods Pro 3:イヤーチップが外から視認できる浅めの設計
・イヤホン単体の変化点

イヤホンの比較(いずれも右側)。
「Pro 3」ではイヤーチップの角度や本体形状が変更されている。

イヤホン本体、外側デザインの比較。
AirPods Pro 3(左)はマイクメッシュの位置が変更。
・AirPods Pro 2:トップがシャープな形状
・AirPods Pro 3:全体に丸みを帯びた形状
→ 耳にあたる接地面が変化=装着感に影響(「◆ 装着感」で後述)
・「心拍センサー」が追加


・Appleの「ヘルスケア」「フィットネス」で心拍測定が可能
・対応しているワークアウトアプリでも利用可能
※心拍の表示は「フィットネス」などアプリで確認できます(下で画面例あり)

「設定」→「Bluetooth」→「AirPods Pro 3」横の「i」→下へスクロール→「プライバシー」内(iOS)

フィットネスアプリ表示比較。Pro 3では心拍数の項目が追加。

心拍センサー非対応デバイスでは該当アイコンがグレー表示になる。
・外観の進化ポイント
・より洗練されたデザインへ
・心拍センサー搭載により実用性UP
・ただし装着感は大きく変化(後述)
◆ 装着感
・装着感の変化あり
AirPods Pro 3では、イヤーチップを中心に耳へ接触する設計へ変更されました。
ステム部分が耳に触れる感覚は減りましたが、
操作感覚はわずかに変化があります。
とはいえ「落ちそう」という不安はなく、
ワークアウト中でも落下やズレの心配はほぼ感じませんでした。

実際の装着状態の比較。
「Pro 3」はイヤーチップ中心の接触設計に変更され、
ステム部分は「Pro 2」と比べ耳から離れた装着感に変更されている。
・イヤーチップの形状が変更(前作までとの互換性なし)
AirPods Pro 3では、イヤーチップの接続部の形状が変更され、
AirPods Pro 1・2との互換性がなくなりました。
▼ AirPods Pro 1・2 のイヤーチップ


AirPods Pro 3とは異なる形状が採用されている。
▼ AirPods Pro 3 のイヤーチップ

従来モデルとは異なる形状が採用されている。

刷新されたコネクター形状が確認できる。
個人的には、イヤーチップの付け外しは
「AirPods Pro 3」の方がスムーズに感じました。
AirPods Pro 3 専用のイヤーチップ(Apple公式)
・材質の変化
AirPods Pro 2 までのイヤーチップはシリコン製でしたが
AirPods Pro3 からはフォームが注入されたシリコン製に変更されました。
その影響か…
・イヤホン自体の付け外し
・長時間装着
・スティック操作が多い
・装着時の位置調整時
このような場面では、
AirPods Pro 2 と比べて耳に負担を感じる場面がありました。
※特に個人差が出るポイントだと思います
◆ 操作性
再生や音量調整は 「AirPods Pro 2」 と共通。ペアリング方法、少し変更あり。
・スティック部分の操作感
スワイプの上下で音量のアップダウンや
1回押しで一時停止/再生などの操作自体の変更はありませんが、
スティック部分が3〜4mmほど外側に位置しており、
前作からの買い替えユーザーは操作時に若干の距離感を覚えるかもしれません。
・Apple以外のデバイス(AndroidやWindowsなど)でのペアリング方法
AirPods Pro 2まで搭載されていた背面の物理ボタンが廃止され、
ペアリング方法が変更されています。
<ペアリングの手順>
▼ 手順 ①

ペアリングモードに入ります。
▼ 手順 ②

・Appleデバイスへの接続方法
▼ iPhone・iPadの場合
購入して開封した直後は、
充電ケースの蓋を開けて画面に設定アニメーションが表示されるはずなので
その指示に従い設定を進めるとペアリング完了。
(AirPods Pro 2 までと共通)
一度ペアリングを解除した場合など、設定が表示されない場合は
上記「Apple以外のデバイスでのペアリング方法」と同様の方法で
設定を進めてください。
▼ Macの場合
同じiCloudアカウントのiPhone・iPadで設定できていれば、
Macもペアリングが自動で完了。
同じiCloudアカウントのiPhone・iPadがない場合は
上記「Apple以外のデバイスでのペアリング方法」と同様の方法で
設定を進めてください。
◆ 音質
「AirPods Pro 2」から大きく向上!(特に、高音域と低音域)
・各音域の変化
新しいマルチポートの音響アーキテクチャにより
音全体の解像度がしっかり底上げされています。
▼ 高音域
・シンセやハイハットが明確に粒立つ
・細かい音が埋もれず、輪郭がはっきり
・AirPods史上トップクラスの高音域の表現力
→ 好みによっては同価格帯のハイエンドモデル(例:SONY WF-1000XM5)と競るレベル
聴いた瞬間に「違う」と分かるパートです。
▼ 中音域
・大きな変化はないものの、ボーカルの聴きやすさは継続
・クセがなく、どんなジャンルでも破綻しにくい
▼ 低音域
・迫力が増しつつ、ブーミーにならない
・キックのアタックと余韻の描写が向上
→ライブ音源で違いがより分かりやすい
・ジャンル別の相性
| ジャンル | 相性 |
|---|---|
| J-POP | ◯ |
| ロック | ◎ |
| ジャズ | ◎ |
| EDM | △ |
高音域が強化されたことで、
EDMでは少し聴き疲れすることがある印象。
逆に…
楽器の音を楽しむジャンルではかなり刺さる
→ ロック/ジャズ好きは買い替え価値は十分あると感じます。
・前作であった “例の音の現象” について
AirPods Pro 2 で発生していた音の“歪み”のような現象について
AirPods Pro 3 では現状発生を確認しておりません。
※ AirPods Pro 2 では引き続き発生(ファームウェア:バージョン 8A358)
(詳細は AirPods Pro 2 レビュー記事の「気になること」で解説)
◆ ノイキャン性能(環境別検証)
AirPods Pro 2 → 3 の大幅アップは “体感上” そこまで無し。
しかし総合性能は、依然としてトップクラス。
Apple公式では
・「AirPods Pro(第1世代)比:最大4倍」
・「AirPods Pro 2 比:最大2倍」
とされていますが、実際に複数環境で使用した結果は…
・実環境テスト結果(筆者の体感)
| 環境 | AirPods Pro 3 | AirPods Pro 2 | 変化量(筆者の体感) |
|---|---|---|---|
| 車道(車の走行音) | ★★★★★ | ★★★★☆ | ↑ 1.3倍 |
| 人混み | ★★★★★ | ★★★★☆ | ↑ 1.3倍 |
| 風切り音 | ★★★★☆ | ★★★☆☆ | ↑ 1.5倍 |
| 電車 | ★★★★★ | ★★★★☆ | ↑ 1.3倍 |
・総評(ノイキャン性能)
・極端な「爆上がり感」はない
・ただし風切り音の低減は明確に良化
・元々「AirPods Pro 2」の時点でトップレベルなので伸びしろが小さく感じる
◆ 外音取り込み/適応型オーディオ
・外音取り込み
“イヤホンをつけていないような自然さ”がわずかに減った印象。
ただし、“加工されてる感”はなく、十分に自然なレベルです。
(※「ヘッドホン調整」など設定なし、デフォルトの状態)
・適応型オーディオ
適応型オーディオに関しては、
AirPods Pro 2と比べても体感的な変化は見られませんでした。
ただし、周囲の音量や環境に応じてノイズ制御を自動調整する挙動は、
これまで通り非常にスムーズです。
◆ 気になる点・デメリット
AirPods Pro 2 と比較しての“気になった点”をまとめました。
・長時間の装着で耳が痛くなる場合がある
頻繁に操作や位置調整をしていると、少し耳が痛く感じることがありました。
イヤーチップの材質変更や、
イヤホンとの接続部の形状が変わったことが原因かもしれません。
個人差はありますが、“AirPods Pro 2では問題なかった方”は注意が必要です。
・イヤーチップが前作までと非互換
接続部の仕様変更により、「AirPods Pro 1・2」のイヤーチップが装着できません。
そのため、買い替え後は新たに対応のイヤーチップを購入する必要があります。
(AirPods Pro 3 対応のイヤーチップ、Amazon検索画面リンク)
(Apple公式)
・ケース込みの再生時間が「約6時間」短くなった
AirPods Pro 2 と比べて、
ケース込みの再生可能時間が約6時間減少しています。
イヤホン単体での再生時間「約2時間アップ」していますが、
ケース充電込みでの運用時間を重視する方は注意。
(駆動時間は基本スペック比較でご確認ください)
◆ まとめ
・評価 「AirPods Pro 2 からの進化点」
▼ 操作感
・AirPods Pro 2 から大きな変更はなし
(※背面の物理ボタン廃止により、ペアリング操作は一部変更)
・装着感の変化による聴き疲れはありそう
▼ 音質
・AirPods Pro 2 からさらにブラッシュアップ
・特に、高音域の解像度アップが顕著で、よりクリアに
▼ ノイキャン
・AirPods Pro 2 から大幅な向上は体感できていないが、
依然として トップレベルの性能
・AirPods Pro 3 への買い替え/購入を検討すべき方
・AirPods Pro 2 のバッテリー持ちに不満を感じている方
・AirPods Pro 2 の音質に満足していない方
(※可能であれば、AppleStoreなどで試聴してからの購入がおすすめ)
・「心拍センサー」を使って、ワークアウト中に心拍数を計測したい方
・これから初めてAirPods Proシリーズを購入する方
・今すぐに買い替えを検討しなくても良い方
・現在の AirPods Pro 2 に 不具合やバッテリー劣化を感じていない方
・AirPods Pro 2 の音質に満足している方
・「心拍センサー」や「フィットネス機能」を特に必要としていない方
・総評
AirPods Pro 3 は、前作からの進化幅こそ比較的控えめですが、
完成度の高いアップデートモデルと言えます。
すぐに買い替えが必要なほどの変化ではないものの、
「AirPods Pro 2 の劣化を感じている方」や
「初めてProシリーズを選ぶ方」には、
非常におすすめできるワイヤレスイヤホンです。

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