<この記事でわかること>
2026年2月に発売のワイヤレスイヤホン
「SONY LinkBuds Clip(WF-LC900)(※1)(※2)」
SONY初のイヤーカフ型のワイヤレスイヤホンです。
同じイヤーカフ型で評価の高い(※3)「HUAWEI FreeClip」と比較し、
「装着感」「音質」「音漏れ具合」など、
購入前に知っておきたいポイントをわかりやすくまとめました。
(※1)「WF-LC900」は製品型名。以降は「SONY LinkBuds Clip」のみの記載とさせていただきます。
(※2)執筆時点のバージョン「1.0.3」
(※3)筆者調べ
まず先に結論だけ知りたい方へ — 要点の早見表ー
▼ こんな人におすすめ
・「SONY WF-1000XM5」に近い音質で、オープンイヤー型のイヤホンを探している
・「音漏れを抑えたい(音漏れ低減)」「騒音に埋もれずに音楽や音声コンテンツを楽しみたい(ボイスブースト)」等、1台で状況に応じて使い分けたい
▼ 気になる点
・ワイヤレス充電に対応していない
・コーデックがAACまで
・操作性は慣れが必要(割当次第)
▼ 正直な総合評価
・装着感:非常に良い(満足度高)
・音漏れ:非常に優秀(比較して強い)
・音質:好みが分かれるが高評価
◆ 基本スペック比較
| 項目 | SONY | LinkBuds Clip | HUAWEI | FreeClip (比較対象) |
|---|---|---|
| 型式 | イヤーカフ型 | イヤーカフ型 |
| ドライバー | 10.0 mm | 約 10.8 mm |
| バッテリー(連続音声再生時間) | 最大 約9時間 | 最大 約8時間 |
| バッテリー(ケース込み) | 最大 約37時間(※4) | 最大 約36時間 |
| ワイヤレス充電 | 非対応 | 対応(最大2W) |
| Bluetooth規格 | 5.3 | 5.3 |
| 対応コーデック | SBC・AAC | SBC・AAC・L2HC(※5) |
| 防滴 | IPX4 | IP54(※6) |
| 空間オーディオ | 対応(360 Reality Audio) | 対応(※7) |
| 専用アプリ | 対応 (Sony | Sound Connect) ※ iOS ※ Android | 対応 (HUAWEI AI Lifeアプリ/Audio Connect) ※ iOS ※ Android |
| イコライザー | プリセット & カスタムEQ(10バンド) | プリセットのみ |
| マルチポイント接続 | 対応(2台同時接続) iOS:◯ Android:◯ Windows:◯ Mac:◯ | 対応(2台同時接続) iOS:◯ Android:◯ Windows:◯ Mac:◯ |
| カラーバリエーション | 4色(ラベンダー/グレージュ/グリーン/ブラック) | 4色(ローズゴールド/ベージュ/パープル/ブラック) |
| 重量 | イヤホン(片耳):約 6.4 g | イヤホン(片耳):約 5.6 g |
| 価格 | 27,900円(税込)(※8) | 27,800 円(税込)(※9) |
| 低遅延モード | 非対応 | 対応 |
(※4)ケース充電を含む。DSEE / イコライザーOFF設定時、またその他機能は全て初期設定時
(※5)L2HCは、EMUI 13.0以降を実行しているHuawei製スマートフォンが必要。
(※6)IP54の防塵・防滴性能はイヤホン本体のみに適用、充電ケースには適用なし。
(※7)HUAWEIのスマートフォン・タブレットのみ対応
(※8)2026年2月時点 SONY公式サイトでの価格
(※9)2026年2月時点 HUAWEI公式サイトでの価格
◆ 同梱物・外観
・同梱物
「SONY LinkBuds Clip」の同梱物は以下の通りです。

・外観
<バッテリーケースの外観>

上部は光沢仕上げ、下部はマットな質感。
「LinkBuds Fit」とほぼ同じデザインで、
“高級感“と”マカロンのような可愛らしさ“が両立している印象です。
ケースの傷付きが気になる方は
専用のシリコンケースも用意されています。(SONY 公式ページ)

充電中などに点灯するLEDランプは、
ケース前面の中央に配置されています。

ケース背面には、
ペアリング/リセット/初期化用ボタンとUSB-C充電端子が搭載されています。
<イヤホン本体>
SONY LinkBuds Clipの各パーツ名称を確認します。

イヤホン本体の内側は、充電端子や左右表示が確認できます。

・バンド部分の強度
柔軟性は程良くあり、しなやかに曲がります。
通常使用の範囲であれば、簡単に断線する心配は少ないと感じました。

・「ケース収納時」「装着時」
<SONY | LinkBuds Clip>
左右自動識別機能は搭載されていません。
そのため、収納時は左右を正しくケースに入れる必要があります。
画像のように逆向きで入れようとしても、
マグネットが吸着せず収納できない仕様です。



その代わり、左イヤホンの上部(装着時)には小さな突起があり、
視覚的・触覚的に左右を判別できるようになっています。
慣れてしまえば迷うことは少ないので、ご安心ください。
<HUAWEI | FreeClip>
装着時・ケース収納時ともに左右自動識別機能を搭載。
左右を意識する必要がない点は、使い勝手の面で優秀と感じました。

◆ 装着感
・長時間装着時
やや重量感はあるものの、装着感は軽く快適。
「HUAWEI FreeClip」と比べるとやや重量感を感じますが、
「耳への負担」や「落ちそうな感覚」も非常に少ないです。
付け外しも片手で問題なく可能です。
バンド部分の挟み込み具合も程良くホールドしてくれる強さで、
ウォーキングでも問題なかったです。

装着感が物足りない場合は、付属のフィッティングクッションでフィット感を調整できます。


フィッティングクッション装着時でも、ケースへの収納は問題なく可能です。

・「メガネ」や「マスク」への干渉
結論:メガネとの併用は問題なし/マスクとの併用にはあまり適していない
<メガネ装着時>
耳に掛かるところ(先セル)が耳に沿うものでなければ、
多くのメガネで問題はないです。

<マスク装着時>
マスクの上からイヤホンを装着した場合、イヤホン自体は安定しますが、マスクの付け外し時にイヤホンも一緒に外れてしまうことが多いです。
実質的には“適していない”と考えておいた方が無難です。
(飲食時などにマスクを下にズラすだけであれば問題ありません。)

◆ 操作性
・再生コントロール
| 項目 | SONY | LinkBuds Clip | (参考)HUAWEI | FreeClip |
|---|---|---|
| 再生/一時停止 | 2回タップ(「再生コントロール」に割当のイヤホン) | アコースティックボール(※10)、コンフォートビーン(※11)、ブリッジ(※12)のいずれかを、2回タップ・3回タップ (※アプリで左右どちらにも割当可能) |
| 曲送り | 3回タップ(「再生コントロール」に割当のイヤホン) 2回タップ(「曲選択」に割当のイヤホン) | アコースティックボール、コンフォートビーン、ブリッジのいずれかを、2回タップ・3回タップ (※アプリで左右どちらにも割当可能) |
| 曲戻し | 3回タップ(「曲選択」に割当のイヤホン) | アコースティックボール、コンフォートビーン、ブリッジのいずれかを、2回タップ・3回タップ (※アプリで左右どちらにも割当可能) |
| 音量コントロール | 音量アップ:右のイヤホンを繰り返しタップ 音量ダウン:左のイヤホンを繰り返しタップ ※左右の割当は変更不可 | アコースティックボールを長押しして音量をアップ、コンフォートビーンを長押しして音量をダウン(※13) (※アプリで左右どちらにも割当可能) |
| 通話応答 | 右か左のイヤホンを素早く3回タップ | ・2回タップ ・ヘッドコントロール |
| リスニングモード切り替え | ダブルタップ(「リスニングモード/Quick Access」に割当のイヤホン) | ー |
(※11)バッテリー等が入っている、耳の背面の筐体
(※12)前後の筐体を繋ぐ、棒状の接続部分
(※13)2026年2月現在、テスト中の機能のため、廃止や変更の可能性あり
右:再生コントロール/左:曲選択で割り当てると、曲送りが「右は3回」「左は2回」になり、慣れるまで混乱しやすいと感じました。
「WF-1000XM5」では
片方を再生コントロール(再生/一時停止・曲送り・曲戻し)、
もう片方をノイズコントロール、
左右の入れ替えも可能です。
・タッチ操作
<SONY | LinkBuds Clip>
タッチ操作が有効な範囲は広めです。
「バンド部分」と「背面の筐体(大)」でタッチ操作することが多いと思いますが、
「前の筐体(小)」も一応有効でした(タッチしづらいですが)。
見えている表面部分は、ほぼ全てタッチ操作に対応しているようです。
また、アプリでタッチの感度を変更(標準⇔高感度)可能です。

<HUAWEI | FreeClip>
こちらも見えている表面は基本的にタッチ操作に対応しています。
ただし、思ったよりも強めにタップしないと反応しない場面がありました。
タッチのしやすさ(デフォルト設定)や感度変更可能という点では、
「LinkBuds Clip」の方が優秀だと感じます。

◆ 音質
・HUAWEI | FreeClipとの比較
※いずれも AAC音源・再生デバイスはiPhone14
<SONY | LinkBuds Clip>(リスニングモード:スタンダード/EQはOFF)
今回”初の”オープンイヤー型イヤホンのレビューということもあり
「音の伝わり具合」が気になっていましたが、
特に低音域の迫力が強いというのが第一印象です。
オープンイヤー型ということもあり、
低音域が伝わりづらいと思っていましたが、
音量40%〜50%くらいでの試聴でも
低音の存在感はしっかりありました。
一方、ボーカルなどの中音域は”やや籠もっているような”印象でした。
(後述の「音漏れ」を考慮してのバランスなのかと個人的には感じています)
ライブ音源やロック系に適していると感じました。
<HUAWEI | FreeClip>
“ながら聴き”でも”しっかり聴く”でも
聴き応えのある音です。
やはり低音は”やや弱く”感じますが、
ボーカル等の中音域は非常に”明瞭”で、
アコースティックなどの細かな音も”粒立ち良く”聴くことができます。
| 音域 | SONY | LinkBuds Clip | HUAWEI | FreeClip |
|---|---|---|
| 高音域 | ★★★★★ | ★★★★★ |
| 中音域 | ★★★★☆ | ★★★★★ |
| 低音域 | ★★★★★ | ★★★★☆ |
・リスニングモード(スタンダード/ボイスブースト/音漏れ低減)の切り替えのよる音質変化
<スタンダード>
中音域がやや”籠もっている”感じがあるものの、
全体的に迫力のあるサウンド。
方向性は「WF-1000XM5」に近い。
<ボイスブースト>
電車や人混み、車の通りが多い環境で試したところ、
“音量を変更することなく”
「ボーカル」や「ラジオの音声」が
騒音に埋もれずに”明瞭”で”聴き取りやすく”なりました。
一方、静かな環境で試聴の場合、
他の楽器などはかなり弱く感じます。
<音漏れ低減>
“スタンダード”と比べ、
全体的に音が籠もって聴こえるようなバランスです。
「スタンダード」や「ボイスブースト」で
「刺さり感が強い(高音がきつい)」と感じたなら
好みの音質かも知れません。
※ 「ボイスブースト」と「音漏れ低減」を有効にしている場合
EQ・DSEEの設定は不可
※参考:「【新旧レビュー】SONY WF-1000XM5|「音質」「操作性」など“M4”からの進化点を比較」
◆ 音漏れ
<評価>
音量が大きいほどFreeClipとの差は顕著。
スタンダードでも比較的マイルドですが、満員電車やオフィスでは「音漏れ低減」を基本ONにすると安心です。
▼ 前提
・再生デバイス:iPhone14
・測定機器:サンワサプライ CHE-SD1
・測定環境:騒音等がない自室で測定
※ 本検証は家庭環境での簡易測定です。
※ 騒音計・測定位置・室内環境により数値は変動します。
※ 絶対値ではなく、機種間の「傾向比較」を目的としています。
※ 本機器の測定下限が35dBのため、「〜35dB」は“35dB未満の可能性あり”を意味します。
・音量50%での比較
| 機種 | モード | dB (音漏れ具合) 距離:30cm | dB (音漏れ具合) 距離:50cm |
|---|---|---|---|
| SONY LinkBuds Clip | スタンダード | ~35dB (シャカシャカ音が聴こえる) | ~35dB (シャカシャカ音が聴こえる) |
| SONY LinkBuds Clip | 音漏れ低減 | ~35dB (シャカシャカ音が減り、 マイルドに) | ~35dB (シャカシャカ音が減り、マイルドに) |
| HUAWEI FreeClip | ー | ~35dB (シャカシャカ音が聴こえる、曲知らなければわからない) | ~35dB (シャカシャカ音が聴こえる、曲知らなければわからない) |
・音量80%での比較
| 機種 | モード | dB (音漏れ具合) 距離:30cm | dB (音漏れ具合) 距離:50cm |
|---|---|---|---|
| SONY LinkBuds Clip | スタンダード | 38dB (曲がギリギリわかる) | ~35dB (曲がギリギリわかる) |
| SONY LinkBuds Clip | 音漏れ低減 | 〜35dB (曲がギリギリわかる、マイルド) | 〜35dB (曲がギリギリわかる、マイルド) |
| HUAWEI FreeClip | ー | 42dB (曲がハッキリわかる) | 38dB (曲がハッキリわかる) |
・音量90%での比較
| 機種 | モード | dB (音漏れ具合) 距離:30cm | dB (音漏れ具合) 距離:50cm |
|---|---|---|---|
| SONY LinkBuds Clip | スタンダード | 43dB (曲がハッキリわかる) | 37dB (曲がハッキリわかる) |
| SONY LinkBuds Clip | 音漏れ低減 | 〜35dB (曲がギリギリわかる、マイルド) | 〜35dB (曲ギリギリわかる) |
| HUAWEI FreeClip | ー | 48dB (曲がハッキリわかる) | 44dB (曲がハッキリわかる) |
ボリュームが大きくなる程、
「HUAWEI FreeClip」との音漏れ具合の差は顕著に現れる印象です。
リスニングモード「スタンダード」でも
音漏れ具合は比較的マイルドです。
リスニングモード「音漏れ低減」では
距離が約30cmでも
数値的には35dB以内に収まっているので、
満員電車や人混みの中での視聴時、
このモードはかなり有効と思います。
モード切り替えがあり、
必要に応じて使い分けられる点が
非常にメリットと感じました。
(参考)「SONY LinkBuds Clip」の「ボイスブースト」の音漏れは
「HUAWEI FreeClip」と近い傾向でした。
◆ 気になる点
・ワイヤレス充電に非対応
価格(27,900円)からしてワイヤレス充電には対応しておいて欲しかったと思いました。
(ほぼ同価格の「HUAWEI FreeClip」は対応)
・対応コーデックが「AAC」まで
こちらも「ワイヤレス充電」と同様、
価格からして対応していて欲しかったです。
例:LDAC対応のイヤーカフ型(価格重視)
EarFun Clip / SOUNDPEATS Clip1
・再生コントロールは慣れが必要
「曲送り」に関して、
タッチ回数と左右の割当を覚えるまでは慣れが必要。
詳しくは「◆ 操作性→・再生コントロール」で解説。
◆ まとめ|SONY LinkBuds Clipはどんな人におすすめ?
操作性はやや慣れが必要で、コーデックもAACまでの対応など、
同価格帯の他社イヤホンと比較すると物足りなさを感じる部分もあります。
しかし、「音漏れ低減」モードは個人的にかなり優秀と感じました。
外出時に環境音をしっかり取り込みつつ、できるだけ音漏れを抑えたい――
そんな使い方を想定している方には、
「SONY LinkBuds Clip」は
有力な購入候補になるイヤーカフ型ワイヤレスイヤホンだと思います。
「音漏れが気になるけど、ながら聴きもしたい」という人は、かなり満足度が高いはずです。


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