CIOのモバイルバッテリー「SMARTCOBY TRIO 35W」が、半固体系電池搭載モデルへとリニューアルしました。
USB-C×2・USB-A×1の3ポート・最大35W出力・大容量20000mAhという基本スペックは共通ですが、価格は約2,300円アップ。
本記事では、モバイルバッテリーの発火リスクや安全性を左右する半固体系電池の違いに焦点を当て、「発熱」「充電速度」など徹底比較します。
◆ 概要
・要点の早見表(結論)
- 容量・ポート数・充電速度などの基本スペックは従来モデルから維持。
- 「バッテリーセル」や「制御」など内部が刷新され、安全性への配慮が高まった点に価値を感じるなら”買い”。
- 複数のデバイスを所有している
- スマホで動画視聴などが多く、出先で充電をする機会が多い
- 少しでも安心なモバイルバッテリーを使いたい
- 「半固体系電池」のモバイルバッテリーの市場が未成熟のため、(投稿時点では)従来のリチウムイオンバッテリー版と比べ価格が2,300円アップ。
・この記事でわかること
- リニューアル前とSS版との違い。(容量・充電速度・発熱などのスペック)
- 半固体系電池の概要
- リニューアル前との価格差 約2,300円。どれくらいの違いがあるか。
◆ スペック比較表
従来のリチウムイオンバッテリー版(本記事では、以後「無印」と呼称)は在庫限りの販売となっており、現在(投稿時点 2026年6月)CIO公式サイトでは購入はできません。
| 項目 | SSモデル(半固体系電池) | 無印モデル(従来のリチウムイオン電池) |
|---|---|---|
| 型番 | CIO-MB35W2C1A-SSA20000 | CIO-MB35W2C1A-20000 |
| バッテリー種類 | 半固体系電池 | 従来のリチウムイオン電池 |
| 容量 | 20000mAh | 20000mAh |
| ポート構成 | USB-C × 2、USB-A × 1 | USB-C × 2、USB-A × 1 |
| USB-C 最大出力 | 35W(単ポート)/ PPS対応 | 35W(単ポート)/ PPS対応 |
| USB-A 最大出力 | 22.5W | 22.5W |
| 複数ポート同時使用(出力) | 合計最大30W | 合計最大30W |
| 入力 | USB-C 最大35W(PD3.0) (※1) | USB-C 最大35W(PD3.0) (※1) |
| 本体充電時間 | 約180分 | 約180分 |
| パススルー充電 | 対応 | 対応 |
| 電力制御 | Nova Intelligence搭載 | — |
| 残量表示 | デジタル(1%刻み) | デジタル(1%刻み) |
| サイズ | 約 91.5 × 68.8 × 29.5mm | 約 91.5 × 68.8 × 29.5mm |
| カラーバリエーション | 2色 ・ブラック ・ホワイト | 2色 ・ブラック ・ホワイト |
| 重量 | 約 320g | 約 330g |
| サイクル回数 | 約 500回 | 約 500回 |
| 価格(税込) | 9,280円(※2) | 6,980円(※3) |
(※2)2026年6月現在 CIO公式サイトでの価格
(※3)CIO公式サイトで販売時点の価格。現在はCIO公式では購入不可
◆ 半固体系電池とは?
「半固体系電池」とは、電解液の含有量を10%以下(ゲル状のイメージ)に抑えたバッテリーセルです。
電解液が少ないことで、本体の破損などによる液漏れ、そこからの発火リスクの低減が期待できます。
CIOは、従来の「リチウムイオン電池モデル」を「半固体系電池モデル」へと順次置き換えを進めています。なおCIOは、セル単体ではなく「内部構造(NovaCore)」と「制御(NovaSafety)」の2軸で安全性を設計しており、半固体系セルの採用に加えてこれらの基準を満たしたものを「半固体系バッテリー」と総称しています。
※ここで重要なのは、CIO自身が「半固体=安全」とは言っていない点です。CIOは「半固体系電池には公的規格も統一定義もなく、メーカーごとに技術・安全水準が大きく異なる」とし、名称ではなく仕様値・試験条件・実測データの開示を重視する方針を示しています。本製品も「リチウムイオン電池より発火リスクの低減が期待できる」ものであって、「絶対に安全」ではありません。車内など高温環境での放置や落下・衝撃に注意が必要な点は、従来モデルと変わりません。
(CIO公式の「半固体系バッテリーを採用した次世代モバイルバッテリーの展開について」も併せてご参照ください)
◆ 同梱物
・パッケージ〜同梱物
※ 本記事内に掲載の写真は、「SS」「無印」ともにカラー「ブラック」でレビューしています。

パッケージには「発火しにくい」「半固体電池採用」と記載され、半固体系電池モデルであることが一目で分かります。
あわせて「世界最小級」「20,000mAh/35W」「USB-C×2・USB-A×1」も明記されています。

- バッテリー本体
- USB-Cケーブル(Type-C to C)
- マニュアル類(取扱説明書・半固体系電池の説明冊子)
◆ デザイン・サイズ感・重量の違い
・外観、サイズ感の比較

縦横のサイズはクレジットカードに近く、
手のひらにすっぽり収まるコンパクトさです。
20000mAhの大容量ながら、鞄に入れても嵩張りません。

本体サイズは「SS」と「無印」で違いはありません。
全体にシボ加工が施され、ザラザラとした質感も共通です。

右側面には残量表示用ボタンを配置。
厚みや形状も「SS」「無印」で差はありません。
- 1回押す…バッテリー残量(%)を表示
- 2回押す…充電停止(スマホなどのデバイスを充電中のみ)
- 3秒長押し…出力(W)を表示

端子と反対側の面。
こちらもシボ加工の質感は共通で、外観上の違いは見られません。

中央に「USB-A」が1ポート、左右に「USB-C」が2ポートの構成。
端子の色にCIOのコーポレートカラー「CIO PURPLE」が採用されている点も共通です。

付属のUSB-Cケーブルは、両端のUSB-C端子いずれにも、本体のUSBポートと同じくCIOのコーポレートカラー「CIO PURPLE」が採用されています。
(無印モデルの付属ケーブルも同様です)
・重量

実重量は「313g」でした。
スペック上は「SS」の方が「無印」より10g軽いですが、
持ち比べても体感的な違いはありません。
・残量表示

右側面のボタンを押すと残量が表示される仕様で、
1%刻みのデジタル表示も変更なしです。
(写真の残量表示は100%)

「無印」と比べて「SS」の方が表示の「明るさ」が増し、
残量表示の見やすさが更に向上しています。
(写真の残量表示は100%)
◆ 充電速度・35W出力の実力
・スマホ(Samsung Galaxy A57 5G)充電時間・速度
| 項目 | SS | 無印 |
|---|---|---|
| 0→100% フル充電 | 約1時間16分 | 約1時間19分 |
| 0→80% | 約46分 | 約50分 |
| 最大出力(計測時) | 28W | 27W |
- アダプタ:「CIO NovaPort DUO II 45W2C」
- ケーブル:「CIOシリコンケーブル100W/1m」
- バッテリーチェッカー「ChargerLAB Power-Z KM003C」
- 使用環境・アダプター・ケーブルにより充電時間は異なる場合があります。
「SS」「無印」共に、
約1時間20分以内で「Galaxy A57 5G」のフル充電が完了しました。
スマホのバッテリー残量が少なくなってきたときの急速充電を想定しても十分な速度と思います。
◆ スマホ充電中の温度
・「SS」×「Galaxy A57 5G」の温度
| 残量 | ディスプレイ/ポート付近 | 本体 |
|---|---|---|
| 10% | 約37℃ | 約28〜29℃ |
| 50% | 約40℃ | 約33〜34℃ |
| 80% | 約39℃ | 約33〜34℃ |
| 100% | 約32℃ | 約31〜32℃ |
・「無印」×「Galaxy A57 5G」の温度
| 残量 | ディスプレイ/ポート付近 | 本体 |
|---|---|---|
| 10% | 約33℃ | 約27〜28℃ |
| 50% | 約38℃ | 約33℃ |
| 80% | 約37℃ | 約32〜33℃ |
| 100% | 約32℃ | 約30〜31℃ |
- アダプタ:「CIO NovaPort DUO II 45W2C」
- ケーブル:「CIO タッチボタン付き ディスプレイシリコンケーブル 100W対応 USB-C」
- サーモグラフィーカメラ:「HIKMICRO E01」
- 使用環境・アダプター・ケーブルにより計測値は異なる場合があります。
- 上記の結果は「Galaxy A57 5G」のフル充電時(0→100%)のバッテリーの温度
- 接続端子(モバイルバッテリー側)はUSB-Cポート
計測時はSSの方がやや高めの値でしたが、
いずれも”熱くて持てない”レベルではなく、
計測環境による誤差の範囲です。
本体の部分も発熱はかなり抑えられており、
発熱対策はしっかりされていると思います。
◆ CIOモバイルバッテリー20000mAhの実用性
<SMARTCOBY TRIO 35W SS 20000mAh>
「Galaxy A57 5G」(0→100%)のフル充電後の残量は「68%」でした。
(約3回のフル充電が可能な計算)
ワイヤレスイヤホン等の周辺機器の充電を考慮しても
十分な容量と思います。
◆ バッテリー本体の充電時間
「SMARTCOBY TRIO 35W SS」本体のフル充電(0→100%)にかかった時間は、実測で「約200分」でした。
(公式スペックは約180分)
本体のフル充電には約3時間ほどかかるため、外出先で使う場合は、あらかじめフル充電を済ませて持ち運ぶのがおすすめです。
- アダプタ:「CIO NovaPort DUO II 45W2C」
- ケーブル:「CIO タッチボタン付き ディスプレイシリコンケーブル 100W対応 USB-C」
- 使用環境・アダプター・ケーブルにより充電時間は異なる場合があります。
◆ パススルー充電にも対応

パススルー充電(モバイルバッテリーを充電しながら、スマホも同時に充電)に対応しています。「無印」から変更なく利用できます。
実際に「電源 → 本体(SMARTCOBY TRIO 35W SS 20000mAh) → スマホ(Galaxy A57)」を同時につないで計測したところ、電源・スマホの双方へ問題なく同時に通電し、パススルーは安定して機能しました。
ただし、パススルー中はスマホ側への出力が最大6W程度に抑えられます(A57を単体で充電した場合は最大25W前後)。本体への入力も開始直後こそ約35Wに達しますが、すぐに10W前後へと低下します。これは発熱や負荷を抑えるための制御と考えられ、「急速充電」というより「使いながら少しずつ補充する」用途に向いています。
パススルーは「外出前のちょっとした継ぎ足し」や「就寝中にまとめて充電」といった使い方に便利な機能です。急いでスマホを充電したい場合は、パススルーを使わずスマホ単体で接続するのがおすすめです。
- 計測機器:「ChargerLAB Power-Z KM003C」
- アダプタ:「CIO NovaPort DUO II 45W」
- ケーブル:「CIO タッチボタン付き ディスプレイシリコンケーブル 100W対応 USB-C」×2本
- パススルー充電時や複数デバイスを同時に充電する場合は、通常時と比べて充電時間が長くなることがあります。(CIO公式より)
- 使用環境・アダプター・ケーブルにより充電時間は異なる場合があります。
- 計測時の開始残量:スマホ0%/モバイルバッテリー本体0%
◆ 2,300円の価格差について
投稿時点では、「安全面を考慮し、大手メーカー製のバッテリーセルに厳選していること」や「市場がまだ未成熟であること」によるコストアップとのことです。
◆ 気になる点・デメリット
- モバイルバッテリー本体のフル充電が「約3時間」かかる。
- スマホへ充電中の温度が、「SS」の方がやや高い。(実測)
◆ 総評
CIOのモバイルバッテリー「SMARTCOBY TRIO 35W SS」は、
20000mAhの大容量・最大35W出力・USB-C×2+USB-A×1の3ポートを、発火リスクに配慮した半固体系電池で実現したモデルです。
「Galaxy A57 5G」を実測で「約3回」フル充電できる容量がありながら、
手に取りやすいコンパクトなサイズに収まっており、スマホ・ワイヤレスイヤホン・一部ノートPCまで日常の充電をこれ1台でカバーできます。
今回のリニューアルにより価格差は2,300円アップの9,280円。
この差額は「燃えにくさに配慮した半固体系セル+制御の見直し」という安全性に期待できると感じるなら、妥当な価格と思います。
容量や速度は十分なので、「少しでも安心して持ち歩けること」に価値を感じる方には、納得して選べる1台です。
旅行・出張など、出先で複数のデバイスを充電する機会が多い方に特におすすめできます。

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